異国の地で働く経営者の独り言
新型コロナウイルスの流行に関して、日本のアステックペイントは幸いにして大きな影響を受けずに何とか乗り越えてきているが、アステックペイントタイランドの業績には大きく響いた。
タイの事業は日系製造業の工場屋根・外壁の塗装が中心となり、顧客となる多くの製造工場が製造一時停止、取引業者の工場内への出入り禁止、設備投資の全面停止などを昨年から繰り返し今に至っている。
昨年の3月頃からの第一波は何とか乗り越えてきた。その影響を挽回するために様々な取り組みを行い巻き返してきたが、今年の3月頃に発生した第三波は昨年からの全ての努力を吹き飛ばすほどの影響があった。
結果として、残念ながら事業を一時的に縮小する決断をすることになった。約40名いた社員のうち15名ほどが会社から去り、さらに今後も会社を去るメンバーが出るかもしれない。
新型コロナウイルスが終息するまでは、いったん小さな組織で内部体制を固めながら、然るべき時期が来るまで待とうと思っている。
マネージャーの育成について
タイに進出してから7年が経ち、会社規模もそれなりに大きくなってきたが、未だに解決できていない最大の課題がある。それは信頼できるマネージャー(管理職)ができないことであった。何度も挑戦し、幾度も失敗を繰り返してきた。
しかしながら、今回のような大きな危機に直面して初めて信頼できるマネージャーが生まれてきた。結果として、アステックペイントタイランドは今までで最も強い組織になってきたと思っている。
競合他社が消えつつある現状においては、今の危機を乗り越えられれば、また大きなチャンスがあると思っている。
タイで会社経営をして思うこと
またタイで会社経営をしていて、ふと思うことがある。
異国の地で会社を経営することにおいて、人材マネージメントが最も難しい。日本人とタイ人の本質的な人材マネージメントは同じであるとは思うが、それぞれが会社に求める「欲求(マズローの欲求*のような意味合い)」は、やはり異なっている。
*「マズローの欲求」とは…人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されているという心理学理論。「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層に分かれている。
日本人は自身の尊厳と周りへの配慮、そして会社全体の利益を鑑みながら、自らの利益を求める傾向があると思う。反面、タイ人は感情のままに自らの利益を求める傾向があり、私も度々苦労してきた。
しかし、よくよく考えていくと、心の奥底から湧き出るドロドロした感情の要求は日本人も含めて誰もが持つ要求であり、日本人は社会がそのような感情を抑制するような教育をしてきただけであって、誰もが持つ潜在的な要求ではないかと思うようになった。
すなわち、このような感情剥き出しの要求と日頃から接する環境の中で人材マネージメントができることで、私自身の経営者としての器を大きくさせ、さらに人間の感情をもっと鋭く感じとる訓練をしているような感じである。
まるで修行僧のような感覚に陥ることもあるが、結果として経営者として成長させていただいていると考えるようになった。
そんな思考があまりにもポジティブ過ぎる経営者の独り言を、今回まとめてみた。
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このコラムの寄稿者と運営者
【コラム寄稿者】
株式会社アステックペイント
菅原 徹
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菅原 徹
株式会社アステックペイント 代表取締役
2000年10月に株式会社アステックペイントを創業して以来、高付加価値な住宅用塗料の研究開発・製造・システムやアプリ開発・販促支援など、あらゆる角度から塗装業界の発展を目指し、事業展開している。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。