防カビ・防虫・防腐性能に優れた木部専用塗料「ガードラックシリーズ」
皆様、木部へ塗装する際、どんな種類の塗料を選択されていますか?
実は、木部保護塗料には水性と溶剤、また浸透タイプ、半造膜タイプ、造膜タイプなど、様々な種類があります。
これらは下地木材の劣化状況や塗装時の周辺環境などによって使い分けられるのです。
アステックペイントでは、2022年10月から木部専用の保護塗料「ガードラックシリーズ」の取り扱いを開始し、多くのお客様にご愛顧をいただいております。
ガードラックシリーズは、和信化学工業株式会社様が製造販売されている、木目を活かしつつ木材の耐久性向上や防カビ・防虫・防腐性能を発揮する塗料で、水性系2製品、溶剤系1製品の計3製品がラインナップされています。
今回は、木部保護塗料についての解説や、ガードラックシリーズの特徴をご紹介します。
目次
木部保護塗料(WPステイン)とは?
木部保護塗料とは、
屋外にて建物の木部材を保護することを目的とした塗料であり、WPステイン(Wood Preservatives Stain)とも呼ばれます。
木材は、一般住宅では破風板や鼻隠し、ウッドデッキなどに多く使用され、紫外線や雨などによる色褪せや、カビや害虫による腐食などによって劣化していきます。
木部の耐久性は金属やセメントなどの建材と比べると、それほど長くはありません。
劣化が進行した木材は美観を損ねるだけでなく強度低下による剥落などの危険性があるため、約3~5年を目安に塗装などによる定期的なメンテナンスを継続して行うことが非常に重要です。
※WPステインの定義:
樹脂および着色顔料のほかに防腐・防カビ・防虫効果を有する薬剤を含むことを特徴とする既調合の半透明塗料
(JASS 18 建築工事標準仕様書から一部引用)
木部保護塗料のタイプ
木部保護塗料は大きく分けて
・造膜タイプ
・半造膜タイプ
・浸透タイプ
の3タイプ に分類されます。
木部に一般的な「造膜タイプ」の塗料を使用した場合、木全体が塗膜で覆われるため、木の呼吸が妨げられ、木材の吸湿性の低下や腐敗の原因になります。
木部の塗装では、表面に塗膜を作りながら木目も活かせる「半造膜タイプ」や、木の内部まで浸透することで木目を活かした仕上がりとなる「浸透タイプ」といった、木部専用の塗料を使用する必要があります。
その中でも、ガードラックシリーズは「半造膜タイプ」と「浸透タイプ」に該当し、ガードラックアクアが「半造膜タイプ」、ガードラックラテックス・ガードラックProが「浸透タイプ」に該当します。
「半造膜タイプ」と「浸透タイプ」それぞれの特徴をご紹介します。
半造膜タイプ(ガードラックアクア)
特徴:木目の風合いを残しつつ、着色力(隠ぺい性)に優れる。
木材の質感を出しつつ、着色力(隠ぺい性)に優れるためリフォームなどの塗り替えに使用されることが多い。
浸透タイプ(ガードラックラテックス・ガードラックPro)
特徴:木材の自然な風合いが残り、木目を活かした仕上がりになる。
木部に有効成分が浸透して効果を発揮。
塗膜を造らないため、割れや剥がれが少ない。
木目の残り方の違い
これらは、用途や目的、木部下地の劣化状況などによって使い分けられます。
ガードラックアクア・ラテックス共通性能
■防カビ・防虫・防効果
防カビ・防虫・防腐効果を長持ちさせるワシンマイクロカプセル
小さな穴が多数あるマイクロカプセルから防カビ・防虫・防腐効果を持つ薬効成分が徐々に放出されるため、効力が長持ちします。
■防蟻効果
アメリカカンザイシロアリ試験を元にした防蟻効果
無塗装の木材とガードラックアクア・ガードラックラテックスを塗装した木材に、アメリカカンザイシロアリを入れ、木材質量の減少率を測定。
無塗装の木材は18%減少したのに対して、ガードラックアクアを塗装した木材は0%、ガードラックラテックスを塗装した木材は1.3%しか減少しておらず、高い防蟻効果が実証されました。
※0.1%差は試験誤差として判断
※試験方法:日本木材保存協会規格JWPS-TW-S.1 およびJIS K 5.3.1 防蟻性能に準ずる。
性能基準:試験後平均質量減少率3%未満であるとき「防蟻性能あり」と判断できる。
ガードラックアクアのみの性能
■高い着色力(隠ぺい性)
着色力(隠ぺい性)が高く1回塗りでもキレイな仕上がり
通常、塗装面をキレイに仕上げるためには、塗料を2回塗る必要があります。
ガードラックアクアは着色力(隠ぺい性)に優れているため、1回塗りでも木部のシミや汚れが目立たないキレイな仕上がりになります。
ガードラックProの性能
■木目を美しく見せる超微粒子顔料
ガードラックProに使用されている超微粒子顔料は、発色が良く、色褪せしにくい特徴を持つため、鮮やかな仕上がりになります。
また、塗膜の劣化要因である紫外線や雨水にも耐性を持つため、屋外木部を長期にわたって保護します。
製品データ
ガードラックアクア |
◯容量:14kg / 3.5kg ◯塗布量(刷毛塗り):100g/㎡(1回あたり) ◯耐候性:自然界(3~4年相当)退色などの劣化症状なし ◯色数:標準16色 ※あくまでサンプルです。実際の色味とは異なりますので、必ず和信化学工業の色見本帳にてご確認ください。 【規格】 日本建築学会材料規格 JASS18M-307(木部保護塗料に関する規格)に適合 【使用方法】 ガードラックアクア仕様書 |
ガードラックラテックス |
◯容量:14kg / 3.5kg ◯塗布量(刷毛塗り):50g/㎡(1回あたり) ◯耐候性:自然界(3~4年相当)退色などの劣化症状なし ◯色数:標準17色 ※あくまでサンプルです。実際の色味とは異なりますので、必ず和信化学工業の色見本帳にてご確認ください。 【規格】 日本建築学会材料規格 JASS18M-307(木部保護塗料に関する規格)に適合 【使用方法】 ガードラックラテックス仕様書 |
ガードラックPro |
◯容量:16L / 4L ◯塗布量(刷毛塗り):80~100g/㎡(1回あたり) ◯耐候性:自然界(3~4年相当)退色などの劣化症状なし ◯色数:標準16色 ※あくまでサンプルです。実際の色味とは異なりますので、必ず和信化学工業の色見本帳にてご確認ください。 【規格】 日本建築学会材料規格 JASS18M-307(木部保護塗料に関する規格)に適合 【使用方法】 ガードラックPro仕様書 |
比較表
製品名 | ガードラックアクア | ガードラックラテックス | ガードラックPro |
荷姿 | |||
タイプ | 半造膜タイプ | 浸透タイプ | 浸透タイプ |
仕上がり | |||
塗料系統 | 水性系 | 水性系 | 溶剤系 |
対応 | 屋内・屋外 | 屋内・屋外 | 屋外のみ |
塗布回数 | 1~2回 ※2回以上塗り重ねる際は、 3日以内に塗り重ねてください | 2回 | 2回 |
工程間 | 工程内:2~4時間以上 最終養生:24時間以上 | 工程内:2~4時間以上 最終養生:24時間以上 | 工程内:8時間以上 最終養生:24時間以上 |
施工上の注意
【ガードラックシリーズ共通】
・ 塗布量は素材の吸い込み具合により大きく変わります。特に傷みのひどい木材の場合は塗料がよく染み込み、塗布量が多くなることが予測されます。
・ 乾燥時間は塗装状況により変わりますので目安としてください。
・ 換気を良くして養生してください。
・ 換気が悪いまたは塗布量が標準よりも非常に多いと、乾燥が極端に遅れ、強いタック感(ベタつき)が発生する可能性がありますので注意が必要です。
・ 標準塗布量は主に針葉樹で設定しているため、塗料が染み込み難い堅木などの場合には標準塗布量以下でもタック感(ベタつき)が強く発生する場合もありますので、
木の種類による影響にも注意が必要です。
・ 素材の状態によって、洗浄・研磨・漂白などをしてください。
・ 傷んでスカスカした状態の木は、素地調整を行ってから塗装することをお奨めします。
【ガードラックアクア・ガードラックラテックス】
・ 気温5℃以下での塗装はお控えください。
・ 気温0℃以下では凍結の恐れがあります。
【ガードラックPro】
・塗料の付着したウェスなどは自然発火する可能性があるため、焼却するか廃棄するまで水につけておいてください。
まとめ
今回は、木部保護塗料(WPステイン)「ガードラックシリーズ」をご紹介しました。
ガードラックシリーズの導入により、お客様のご要望や下地の劣化程度によって使い分けることができるようになりました。
今後の営業活動ならびに施工品質向上にお役立ていただければ幸いです。
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。