現場の研究 2021.12.20

特別な労災保険「一人親方保険」を簡単解説!

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一人親方の労働災害特別加入制度「一人親方保険」をご存知でしょうか?

一般的に、労災保険は企業に雇用されている労働者向けの保険であり、一人親方は「事業主」にあたるため労災保険に加入できません。しかし、一人親方も補償を受けられるように設けられた労災保険の特別加入制度が「一人親方保険」にあたります。

また、状況によっては元請会社の労災保険が適用となる場合もあるため、「一人親方保険」に加入すべきなのか判断しにくい場合もあります。

そこで、本記事では「一人親方保険の概要」、「特別加入制度の対象となる一人親方の定義」、「加入すべき労災保険」、「補償内容」について簡潔にご紹介いたします。

こちらの記事をお読みいただき、「一人親方保険」に入るべきなのかご判断いただけますと幸いです。

労働災害特別加入制度「一人親方保険」とは

本来「労災保険」は、企業などに雇用されている「労働者」のためのもので、業務や通勤中の事故・災害に遭った場合に保険給付を行うことで労働者の生活を守る制度です。

この「労働者」の中には、経営者や一人親方は含まれていないのですが、業務内容によっては労働者と同じ水準で保護される必要がある方もいらっしゃいます。そのような方を対象として、国が労災保険への任意加入を認めているのが、特別加入制度です。

その一つである「一人親方保険」は、労働基準監督署に承認されている団体を通じて加入できます。

なお、労働基準監督署に承認を受けた団体の一覧は、各都道府県の労働局HP内に掲載されているため、「一人親方保険」への加入を検討される方はご参照ください。

また、そのようなリストを見つけられない場合は、労働基準監督署にも一覧が用意されているので、最寄りの労働基準監督署にご相談ください。

特別加入制度の対象となる一人親方の定義

特別加入制度の対象となる一人親方は、下記のような状況の方です

● 法人企業もしくは個人企業の代表だが、労働者は雇用していない方。
● 元請会社から、現場での仕事の裁量(材料選定・勤務時間・作業工程など)が認められている方。
● 会社に雇用されず、個人もしくは家族で仕事を請け負っている方。

以上のいずれかに該当する建設業経営者、およびその家族従事者は、一人親方向けの特別加入制度の対象となります。

※いずれにも該当しない経営者の方は、中小企業主等向けの特別加入制度の対象となります。
※家族で仕事を請け負っている場合、各々が一人親方向けの特別加入制度の対象となります。

あなたが加入すべき労災保険はどれ?

特別加入制度の対象になる一人親方の定義についてご紹介いたしましたが、結局どの保険に加入すべきか迷われる方も多いかと思います。

そこで、主なシチュエーションごとに加入すべき労災保険の例をご紹介いたします。

① 元請企業や下請企業の経営者の方
● 従業員がいる場合:中小企業主向け特別加入労災保険
● 従業員がいない場合:一人親方向け特別加入労災保険

② ①の経営者の家族の方
①の経営者の家族の方に関しては、同一生計の状況、同居の有無、雇用契約(請負型・日給型)、従業員の雇用の有無、などの諸条件によって「一人親方」か「労働者」の判断が分かれます。
そのため、加入すべき労災保険の判断が難しく、最寄りの労働基準監督署にご相談いただくことをおすすめします。

③ 下請企業や孫請企業の経営者の方
●日給型で工事を行う場合:元請企業の労災保険対象となるため、特別加入は不要です。
●請負型の場合で従業員がいる場合:中小企業主向け特別加入労災保険
●請負型の場合で従業員がいない場合:一人親方向け特別加入労災保険

④ 元請企業や下請企業の従業員の方(パート・アルバイト含む)
元請企業や下請企業の労災保険の対象となるため、特別加入は不要です。
※ただし、ご自身の所属する企業が適切に労災保険に加入していることが条件となります。

労災保険の補償内容

一人親方がケガをして現場に入れなくなると、治療費が発生するだけでなく、収入がなくなってしまいます。また、万が一、亡くなった場合には、残されたご家族の生活にも支障が出てしまいます。

そこで、労災保険では以下のような補償を受けられます。

●治療費用
●休業補償 ※4日以上労働できなくなった場合
●障害補償 ※障害が残った場合
●介護補償 ※障害が残り介護を受けている場合
●葬祭費用 ※災害で亡くなった方の葬儀を行う場合
●遺族補償

補償の詳しい内容については、労災保険の取扱団体にご相談ください。

まとめ

今回の記事では、わかりにくい「一人親方保険」について、必要な情報を解説いたしました。

●「一人親方保険」は、労働者に該当しない一人親方が加入できる特別な労災保険
●業務内容や経営形態によって、加入する労災保険が異なる
●労災保険の内容は、治療費から遺族補償まで多岐に渡っており、万が一の場合に自身と家族を守る手段になる

一人親方の労災保険加入は義務ではありませんが、ご自身やご家族を守るためにも、労災保険に特別加入していない方は、取扱団体にご相談いただき、労災保険にお早めに加入されることをおすすめいたします。

一人親方保険について、より詳しく知りたいという方は、厚生労働省の発行している「労災保険 特別加入制度のしおり<一人親方その他の自営業者用>」を参考までにご覧ください。

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