倉庫在庫を増やさないための塗料管理方法とは (美倉庫プロジェクトvol.8)

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AP ONLINEでは、塗料倉庫の整理整頓、在庫削減に取り組まれている全国の加盟店様に訪問インタビューを実施し、整理整頓の工夫についてご紹介する「美倉庫プロジェクト」を連載しています。

第8回目の事例は、中部エリアの塗装会社様の美倉庫をご紹介します。

塗装会社様の塗料倉庫の管理品質向上、塗料の廃棄量削減のために、ぜひご参考にされてください。

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倉庫概要

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概要詳細
倉庫のサイズ100 ㎡ 高さ:4m
在庫数約200缶
在庫金額400万円
事務所からの距離2km(車5分)
工事比率戸建住宅元請:60%(6-7棟/月)
自動車工場関連 :40%(床・梁・プラント工事ほか)

これまでの取り組み

産廃処理軽減の取り組み

ビニールシートに塗り広げた塗料を乾燥させて、乾燥した塗膜とシートを一緒に丸めて、「もえるごみ」として処分する。

ドラム缶に廃油を溜めての処理はしていないため、産廃処理費を最小限に抑えられている。

在庫を増やさない工夫

付帯部の塗料5色絞って提案:軒天1色、その他付帯部4色


9010:クールホワイト(艶消)
8109:ガルグレー
8074:アイアンバーグ
8077:ヤララブラウン
8079:チャコール


施主様より付帯部の色についてお問合せいただく回数頻度:1回/10件
他の色から選びたい、という要望がある場合、別途対応

※付帯部の色については「見積りに明記」
※フッ素塗料(1液ファインフッソUV [日本ペイント])はシリコンの価格で提供 
・自社はアステックの塗料を推しているのではなく、良いと思った塗料を厳選して使用していることを伝える。
・本来、付帯部の色は選べるが自社の廃棄塗料の軽減、不良在庫軽減のため色を限定。
(自社にとってのメリット:在庫管理が楽/作業性が良い)

・施主様への提案時は、自治体が積極的に取り組んでいる「SDGs」に自社も参加していることを話す。「SDGs」に対する市民の意識も高いため、受け入れられやすい。

倉庫整理の工夫点

整理方法:四方の壁面に鋼製の棚(奥行:600㍉幅)、吊り棚を設置。材料(メーカー)別で、保管場所を指定。

棚1段に前後で2缶、同色を置くことがルール。棚前に置く場合も同様。
■所定の場所に、整理整頓して塗料が保管されているため、在庫状況がわかりやすい。

養生部材、副資材、電動工具、床用研磨機ほか、所定の保管場所が指定され、整理されている。

概要詳細
倉庫整理の頻度1回/月
棚卸しの頻度1回/年 
4S活動(整理、整頓、清掃、清潔)特になし

保管ルール

概要詳細
使用期限(開封済み)5年以内
使用期限(未開封)5年以内
倉庫からの持ち出し/戻しのルール特になし

 保管状況

概要詳細
在庫塗料の種別「外壁上塗材」が多い。 アステックコンペの影響で一時的に在庫が増えている。
温度管理冬場:温度管理が必要な材料は電気カーペットに包む、お湯で温めるなど、必要に応じて使用する前に準備する。

危険物の取り扱い

概要詳細
危険物倉庫(なし)・溶剤塗料の保管数量現状は取り組めておらず、今後の課題

産廃処理

概要詳細
廃棄費用水性一斗缶:2,500円 ・溶剤一斗缶:2,300円
廃棄頻度必要に応じて、持ち込む

☑乾燥させた塗膜をビニールシートに丸めて、「もえるごみ」として処分
職人の手が空いた時間を活用して、ビニールシートの上に塗料を塗り広げ、増粘剤
(ケミベスト、ミルコンなど)、シュレッダーの紙くずなどを入れて、都度実施。
※ 乾燥時間は夏場:1-2日、冬場:3-4日で乾燥。
※ 特に夏期休暇前は、倉庫床全面に敷き詰めて、大量処理を実施。

中途半端に残った塗料は樽にまとめて、工場/店舗などの中塗りで使用。
■ビニールシートに丸めた塗料(塗膜)はもえるごみで処分。
■空缶は潰す手間を無くすため潰さず、外国人の鉄くず回収業者に無料で引取りに来てもらう。

在庫管理方法

概要詳細
管理者の指名社長
在庫管理ツールなし
※※社長が全現場の施工後、空缶写真を倉庫で撮影し、在庫状況を把握している。

まとめ

今回は美倉庫プロジェクト第8弾の事例レポートをお届けしました。AP ONLINEでは定期的に塗料倉庫の環境整備に取り組まれている塗装会社様の活動事例をご紹介します。
「塗料の不良在庫がたくさんあり悩んでいる」「高額な産廃処理費が課題である」という会社様はぜひ記事をご参考にしていただければと思います。

■過去の美倉庫プロジェクト記事はこちら

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記事監修】株式会社アステックペイント 谷口智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」塗装品質の向上のための施工指導を行う「フィールドエンジニア部」を統括する責任者として、高付加価値塗料の研究・開発、塗装現場の品質管理のための活動を行っている。

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運営会社】株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。

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