試行錯誤で取り組む倉庫の整理整頓(美倉庫プロジェクトvol.9)
AP ONLINEでは、塗料倉庫の整理整頓、在庫削減に取り組まれている全国の加盟店様に訪問インタビューを実施し、整理整頓の工夫についてご紹介する「美倉庫プロジェクト」を連載しています。
第9回目の事例は、倉庫清掃を徹底するために仕組化に取り組まれている塗装会社様の美倉庫をご紹介します。
塗装会社様の塗料倉庫の管理品質向上、塗料の廃棄量削減のために、ぜひご参考にされてください。
目次
倉庫概要
概要 | 詳細 |
倉庫のサイズ | 42 ㎡ 高さ:2.2m |
在庫数 | 約90缶 |
在庫金額 | 180万円 |
事務所からの距離 | 徒歩30秒 |
工事比率 | 倉庫は4つの部門ごとに分かれている。 ◇塗装工事 ①下請/公共 ②法人/下請 ③住宅(戸建6棟/月) ◇新築一戸建ての建築工事 ④建築 |
これまでの取り組み
現場から戻った塗料の整理スペースを確保
塗料、副資材、道具工具ほかの保管エリアと廃油処理エリアの確保のため、保管・作業スペースを拡張。
また、近隣配慮の観点から、外部から産廃等のゴミが見えないような対策を講じている。
清掃(材料整理)の課題
数年前から、毎日の倉庫およびその周辺の清掃(在庫整理)の徹底が課題であったため、現在は掃除時間(20分)を月曜から金曜までの就業時間内に組み込んで業務としている。
各所にチェック表を吊るして、「やった」、「やってない」をチェックできるようにしている。「やった」にチェックがついていても、その掃除の程度が現在の課題となっている。
倉庫整理の工夫点
整理方法:
・三段の鋼製棚、単管+鋼製足場板で棚を設置。
・材料(メーカー)別で、名札プレートを付けて、保管場所を指定。
左写真)缶ごとの保管ルール:塗料残量(新品・半分・1/3)のマグネットプレートを貼る。
中央写真)保管方法、保管注意事項の掲示、各所にチェック表が配備されている。
右写真) 所定の場所に、塗料が整理整頓して保管されているため、在庫状況がわかりやすい。
左写真・中央写真)
養生部材、電動工具、副資材ほか、所定の保管場所が指定され、整理されている。
今後の課題:道具工具の持ち出し管理票
右写真) 洗浄機のオイル交換は、特に交換時期が不明になるため、管理票の活用が有効。
概要 | 詳細 |
倉庫整理の頻度 | 毎日(担当、場所を決めて月-金で実施) |
棚卸しの頻度 | 1回/年 (8月決算時に実施) |
4S活動(整理、整頓、清掃、清潔) | 1回/月 「美化向上委員会」 ※課題:美化向上委員会の活動を継続していくこと。 (チェック者、チェック日の設定が必要、2週間に一度程度で実施) |
保管ルール
契約が決まった塗料(在庫を含む)の保管
左写真)所定の在庫置き場に現場名を記入して保管する。
右写真)全ての塗料に残量表示マグネットを貼る。
概要 | 詳細 |
倉庫からの持ち出し/戻しのルール | あり 持ち出し:残量表示マグネットを外して持っていく。 戻し:残量を確認、それに合った残量表示マグネットを貼り付けて、色名が分かるようにして元の場所に戻す。 |
使用期限(開封済み) | 今後の課題としてルール化する |
使用期限(未 開 封) | 今後の課題としてルール化する |
保管状況
概要 | 詳細 |
在庫塗料の種別 | 「外壁上塗材」が多い |
温度管理 | 特に無し 冬場粘度が上がる塗材、防水材は当日、すぐに使用できるように温めて準備する。 |
危険物の取り扱い
概要 | 詳細 |
危険物倉庫・ 溶剤塗料の保管数量 | (なし) 社内に危険物取扱者乙4類の資格者がいるため、適正在庫量以上を持たない方針で管理されている。 |
産廃処理
概要 | 詳細 |
廃棄費用 | ドラム缶(運搬費込) 21,000円 ※配置空缶:1,500円/缶×4 |
廃棄頻度 | 1回/4-5週 ※ドラム缶の廃棄缶数: 2020年(12缶)、2021年(10缶) |
左写真) 現場から戻って来た材料の一時置き場。
中央写真)ドラム缶での廃油処理、水性・溶剤不問。 空缶は乾燥させて、潰して鉄くず無料回収業者(外国人)が引取り。
→ 各担当者が塗料の状態、残量を確認して、棚に戻すか、処分かを判断する。
右写真)空缶は乾燥させて、潰して鉄くず無料回収業者(外国人)が引取り。
在庫管理方法
概要 | 詳細 |
管理者の指名 | 各担当者 |
在庫管理ツール | なし |
まとめ
今回は美倉庫プロジェクト第9弾の事例レポートをお届けしました。AP ONLINEでは定期的に塗料倉庫の環境整備に取り組まれている塗装会社様の活動事例をご紹介します。
「塗料の不良在庫がたくさんあり悩んでいる」「高額な産廃処理費が課題である」という会社様はぜひ記事をご参考にしていただければと思います。
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この記事の監修者と運営者
【記事監修】
株式会社アステックペイント
谷口 智弘
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株式会社アステックペイント
谷口 智弘
株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。
【運営会社】
株式会社アステックペイント
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株式会社アステックペイント
AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。