早期剥離リスクを軽減する下塗り材「モニエルパワープライマー」をご紹介

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モニエル瓦を塗装後、早期剥離してしまったご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、塗装後の早期剥離リスクを軽減するモニエル瓦専用の下塗材、「モニエルパワープライマー」についてご紹介いたします。

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モニエルパワープライマーの特徴

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特徴詳細
仕様水性二液
用途乾式用瓦(モニエル瓦など)専用下塗材
特徴モニエル瓦に対する優れた浸透・固着性、水系塗料のため安全かつ低臭、水系・弱溶 剤系または機能性上塗材のいずれも適用可能

モニエルパワープライマーとは

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モニエル瓦とはモルタルを押出し成型し、着色スラリー層というセメントと色粉を混ぜた着色材を厚め(約1mm厚)に吹き付け、さらにその上をアクリル樹脂系のクリアー塗料で塗装して作られた瓦です。塗り替える場合は、脆弱な着色スラリー層を綺麗に除去した後に塗装を行う必要があり、スラリー層が残った状態で塗装すると、施工した塗膜が後々剥がれてしまう危険性があるため注意が必要です。

モニエル瓦のイメージ

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モニエルパワープライマーは、劣化したモニエル瓦に浸透、固着し、上塗材との付着性を高めることができる「水性形二液モニエル瓦用エポキシ系下塗材」です。

機能紹介

浸透性

モニエルパワープライマーは、9kg(セット)に対して5ℓの水希釈が必要となります。希釈後は塗料の粘度が低くなり、モニエル瓦のスラリー層深くまで浸透しやすくなります。

各種下塗材に黒染料を添加し、モニエル瓦に塗装後、浸透深さを測定すると、モニエルパワープライマーは1液水系の7倍、1液溶剤の2倍以上の深さまで、スラリー層に浸透することを確認しています。

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固着性

表面が劣化したモニエル瓦の表面を高圧水洗浄15MPa(約 150kg f/cm²)にて充分にケレン処理したのち、各種下塗材の塗布および劣化操作後に、カッターで切れ込みを入れてセロテープによる付着試験を実施しました。

結果、標準水希釈したモニエルパワープライマーを光沢が出るまで塗布することで、各条件で良好な固着性が確認されました。

1液水系プライマー1液溶剤系プライマーモニエルパワープライマーモニエルパワープライマー
塗布量(水希釈)0.15kg/㎡0.15kg/㎡0.15kg/㎡(無希釈)0.15kg/㎡(標準希釈)
モニエルパワープライマーの仕上がり光沢あり光沢あり光沢あり光沢あり
付着性 標準×
付着性 30日浸水後×
付着性 50℃温水1日後×
付着性 温冷繰り返し100サイクル後×
(〇:良好、△:一部剥離、×:剥離)

※温冷繰り返し100サイクルとは下記①~③の環境下に試験体を置き、これを1サイクルと考えて、100サイクル繰り返す試験
①水中に浸漬 23° 18時間
②冷却 -20° 3時間
③加温 50℃ 3時間
100サイクルが終了後、塗膜に異常がないかを確認する試験です。

※各種下塗材のモニエル瓦に対する付着性を確認するために過酷な条件 (標準 < 30日浸水後 < 50℃温水一日後 < 温冷繰り返し100サイクル後)それぞれで測定を行った。

そのほかの特徴

対応下地モニエル瓦
施工可能な上塗材・スーパーシャネツサーモ F
・スーパーシャネツサーモ Si
・超低汚染リファイン 500Si-IR
・シャネツテックSi-JY
色展開透明のみ
製品データ・施工仕様〇 荷姿       ➡ 9kgセット (A液:6kg, B液:3kg)
〇 塗布量     ➡ 0.15~0.30kg/㎡
〇 塗布回数  ➡ 1~2回
〇 塗装方法  ➡ 中毛~長毛ローラー、エアレス
〇 希釈         ➡ 5ℓ(清水)
〇 色            ➡ 透明
〇 可使時間 ➡23℃のとき: 2時間以内、35℃のとき: 1時間以内
JIS規格〇JIS K 5600 塗料一般試験方法
「容器の中での状態」「塗装作業性」「塗膜の外観」「付着性」「耐衝撃性」「耐水性」「耐アルカリ性」すべて合格
〇J I S K 5601 塗料成分試験方法
「加熱残分」 合格

下地処理方法・施工上の注意点

【下地処理】

・劣化し脆弱な部分および風化した着色スラリー層等は高圧洗浄、ディスクサンダー、スクレーパー等により完全に除去する。
・漏水箇所は予め水が浸入しないように処置し、汚れ、付着物、油脂類等を高圧洗浄、スクレーパーやシンナー等で除去する。
・塗装する下地は清浄かつ十分に乾燥する。
・高圧洗浄し乾燥させた後、必ず軍手等で擦り、着色スラリー層が手につかないことを確認する。

【施工上の注意点】

・雨や強風、結露等の悪天候およびこれらが予想される場合には施工を避けてください。
・5℃以下、湿度85%以上での施工は避けてください。
・可使時間を超過した場合、浸透力が低下し濡れ色にならない可能性がありますので可使時間を厳守した上でご使用ください。
・使用する前に塗料を十分に攪拌してください。
・必ず水希釈をして塗装してください。
・中毛~長毛ローラーを推奨いたします。
・ウールローラー施工の場合、塗回数が増えることがありますのでご注意ください。
・エアレス施工の場合には瓦の形状により塗布量が少なくなる部分がありますのでご注意ください。
・エアレス施工の場合には塗装ロスが大きくなりますので、塗布量の上限値を目安にしてください。 
・水希釈が必須で塗料がダレやすいので、雨樋を養生して使用し、雨樋に塗料が流れないようにしてください。
・金属部にはサーモテックメタルプライマー等を施工してください。

※1回目の塗布量を多めにしてください。
※下塗は下地の状態により塗布量が異なる場合があります。微光沢が出るまで十分に塗布してください。
※下塗乾燥後、テープを付着させ、テープに着色スラリー層が付着する場合は、再度下塗りを塗布してください。
※下地の劣化が激しい場合は、標準塗布量以上のモニエルパワープライマーを塗付する必要があります。

まとめ

今回はモニエル瓦のスラリー層への浸透性および固着性に優れ、塗膜の早期剥離のリスクを軽減する水性形二液モニエル瓦用エポキシ系下塗材「モニエルパワープライマー」をご紹介いたしました。

モニエル瓦の塗装の際、ぜひご使用ください。

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この記事の監修者と運営者

【記事監修】
株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

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株式会社アステックペイント 
谷口 智弘

株式会社アステックペイント技術開発本部 本部長
住宅用塗料市場のマーケティング分析・品質管理を行う「商品企画管理室」、塗料の研究・開発を行う「技術開発部」、塗料の製造・生産・出荷を行う「生産部」の3事業部を統括するマネジャーとして、高付加価値塗料の研究・開発を行っている。

【運営会社】
株式会社アステックペイント

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株式会社アステックペイント

AP ONLINEを運営する株式会社アステックペイントは、建築用塗料を製造・販売する塗料メーカー。遮熱性、低汚染性に優れた高付加価値塗料の研究・開発の他、システム・販促支援など、塗装業界の課題解決につながる事業を展開。2020年以降、遮熱塗料国内メーカーシェアNo.1を連続獲得中。

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