EP(エマルションペイント)

塗料 2022.12.13 (最終更新日:2026.03.16)

EP(エマルションペイント)とは、「Emulsion Paint」の略で、樹脂を水に分散させた水性の消し塗料のこと。「合成樹脂エマルションペイント」とも呼ばれる。有機溶剤の代わりに水を溶媒として使用するため、健康・環境への負荷が比較的少ない塗料として、主に建物の内装壁・天井に広く使用されている。品質はJIS K 5663に規定されている。


EPの成分と仕組み

EPは以下の成分を配合した塗料だ。

  • 合成樹脂エマルション:アクリル樹脂・ウレタン樹脂・アクリルシリコン樹脂・フッ素樹脂などを乳化重合したもので、塗膜形成の結合剤(バインダー)となる
  • 着色顔料:塗料に色を付ける成分
  • 体質顔料(増量材):炭酸カルシウムなどを多量に配合し、消し効果・塗膜の肉厚感を生み出す
  • 水(溶媒)有機溶剤の代わりに使用する溶媒で、乾燥後は揮発する

EPの主な特徴

  • 消し仕上げ体質顔料を多量に配合することで光の反射を抑えたマット(消し)な仕上がりになる
  • 水系塗料有機溶剤を使用しないため、作業中の臭気が少なく室内施工に適している
  • 健康・環境への配慮:VOC(揮発性有機化合物)の排出が少なく、人体・環境への影響が比較的小さい
  • 無機質系下地への適性:コンクリート・モルタル・プラスター・石膏ボードなどの無機質系の壁・天井に最も多く使用される
  • 樹脂の種類による性能差:アクリル・ウレタン・フッ素など使用する合成樹脂の種類によって耐久性・耐汚染性などの性能が異なる

EPが使用される主な場所・用途

用途具体例
内装壁・天井住宅・マンション・オフィス・店舗の室内壁・天井
無機質系下地コンクリート・モルタル・石膏ボード・プラスター面
新築・改修工事内装仕上げ塗装全般

よくある質問(FAQ)

Q. EPと一般的な水性塗料・外装用塗料との違いは何か?
EPは主に内装の消し仕上げを目的とした水性塗料で、体質顔料を多量に配合したマットな仕上がりが特徴だ。一方、外装用の水性塗料は耐候性・耐水性・防汚性を重視した設計となっており、あり・半消しなど複数の感が選べる製品が多い。EPは屋外の紫外線・雨水に対する耐久性が外装用塗料より低いため、基本的に内装専用の塗料として使用されている。

Q. EPに使用される樹脂の種類によって何が変わるのか?
EPに使用される合成樹脂の種類によって、塗料の耐久性・耐汚染性・コストが異なる。

  • アクリル樹脂系EP:汎用性が高くコストが比較的低い。一般的な内装塗装に広く使用される
  • ウレタン樹脂系EP:耐摩耗性・強靭性が高く、人が触れやすい壁面などに適している
  • アクリルシリコン樹脂系EP:耐汚染性・耐久性が高く、長期間きれいな状態を保ちやすい
  • フッ素樹脂系EP:最も耐久性・耐汚染性が高いが、コストも高くなる

用途・予算・求める性能に応じて適切な樹脂タイプを選定することが重要だ。

Q. EPの「JIS K 5663」とはどのような規格か?
JIS K 5663は、合成樹脂エマルションペイント(EP)の品質を規定する日本産業規格(JIS)のこと。塗料の粘度・隠ぺい率・耐水性・耐アルカリ性・塗膜の外観などの品質基準が定められており、この規格に適合した製品は一定の品質水準を満たしていることが保証される。設計仕様書や工事仕様書に「JIS K 5663適合品」と記載されている場合は、この規格を満たしたEPを使用することが求められている。

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