排気ダクトからの有機物の影響による苔・カビの発生

塗料不具合塗装 塗装の現場から 2022.07.12 (最終更新日:2024.04.17)

工場や倉庫内で有機物(肥料・食品・麴菌など)がダクトから排出される場合、周辺に付着し栄養分となって、塗膜表面に緑色・黒色の苔藻が発生する現象のこと。
過酷な環境であるため、一般塗料よりも低汚染塗料による塗り替えが適しているが、再発する可能性がある。

この用語の詳細情報は、下記原稿を参照。

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工場・倉庫の排気ダクトによる汚染

塗装後数年が経過し、「工場・倉庫の排気ダクト※周辺が汚染した」という連絡を受けることがある。これは多くのケースで「排気ダクトの排気に含まれる成分」が原因。
※排気ダクト…屋内作業者の環境確保のため、工場内の作業や製品の加工時に発生する物質を屋外に排出する設備。以下、ダクトと表記

業種別による汚染事例

工場内から排気されるものによって、汚染の仕方が変わるため、法人様への排気物に関するヒアリングや使用塗料選定が重要。

プラスチック加工工場の塗装後の汚染事例

塗装時期2017年9月頃(約3年半経過)
塗装仕様弱溶剤シリコン系上塗材(白色)
屋根下地焼付塗装の折板屋根(右写真:赤枠・緑枠)

同敷地内(右写真)で同時期に塗装した「ダクトがある折板屋根(赤枠)」と「ダクトがない折板屋根(緑枠)」で下記写真のような汚染差が確認された。

汚染物の付着情報

汚染箇所を濡らしたウェスで力強く複数回拭くことで清掃はできるが、屋根全体の拭き作業は現実的ではない。

汚染のメカニズム

①ダクトから排気された「微粉末有機物」が、塗り替え塗膜(有機物)に馴染んだ。

②付着した微粉末有機物に、周辺の排気ガスや土埃等の汚染物質がさらに付着したことで汚染が進行。

ダクトがある建屋の改修工事の際は、現場調査時に法人様への「ダクトからの排気物について」のヒアリングが重要である。排気物によっては、塗装後の汚染に繋がる可能性がある。また法人様に、汚染させないためのダクトの清掃・フィルター機能の向上など、別途対策の提案も検討する必要がある。

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