モルタル

建材 2024.04.09 (最終更新日:2026.03.17)

モルタルとは、セメントに砂(細骨材)を加えて水で練り合わせた建築材料のこと。 一般的に「モルタル」と呼ぶ場合は「セメントモルタル」を指すことがほとんどだ。ペースト状で成形の自由度が高く、外壁の仕上げ・下地・タイルの接着・目地材など建築のさまざまな場面で幅広く使用される素材だ。


モルタルとコンクリートの違い

モルタルと混同されやすい「コンクリート」との主な違いは以下のとおりだ。

項目モルタルコンクリート
成分セメント+砂+水セメント+砂+砂利(粗骨材)+水
強度コンクリートより低い高い(構造体に使用)
主な用途外壁仕上げ・タイル貼り・目地材・補修材基礎・柱・梁・床スラブなどの構造体
特徴細部への充填・成形がしやすい大規模な構造物への使用に適している

モルタルの主な種類

モルタルは成分・用途によって以下の種類に分類される。

  • セメントモルタル:最も一般的なモルタル。住宅の外壁仕上げ・下地・タイル貼りなどに広く使用される
  • 石灰モルタル:消石灰を主成分とするモルタル。セメントモルタルより柔軟性があり、古くから伝統的建築に使用されてきた
  • プラスターモルタル(石膏プラスター):石膏を主成分とし、内壁・天井の仕上げに使用される。乾燥が早く平滑な仕上げが得やすい
  • 既調合モルタル(ドライモルタル)セメント・砂があらかじめ配合された製品。現場で水を加えるだけで使用でき、品質の均一化・施工の効率化に優れる

モルタルの主な用途

モルタルは以下のような用途で幅広く使用されている。

  • 外壁の仕上げ材:モルタルをコテで塗り重ねて外壁を形成する「モルタル外壁(左官仕上げ)」はサイディングが普及する以前の住宅で多く採用されてきた
  • タイル・石材の接着材:外壁・床・浴室などのタイル・石材を下地に貼り付ける接着材として使用する
  • 目地:タイル同士の隙間(目地)に充填し、美観の確保・防水性の向上に役立てる
  • ひび割れ・欠損部の補修材:外壁・コンクリート構造物のひび割れ・欠損箇所をモルタルで充填・補修する
  • 建物の下地:塗装・タイル張りの前工程として、表面を平滑に整える下地として使用する

モルタルのメリット

  • デザインの自由度が高い:コテ仕上げ・吹き付けなど仕上げ方法のバリエーションが豊富で、曲面・複雑な形状にも対応しやすい
  • 耐火性が高いセメント系素材のため燃えにくく、建物の防火性能に貢献する
  • 施工性が高い:細部への充填・補修・成形が容易で、さまざまな建築工程で活用できる
  • つなぎ目(シーム)がない:継ぎ目なく仕上げることが可能なため、外壁に統一感ある意匠を実現できる

モルタルのデメリット・注意点

  • 防水性がない(吸水しやすい):モルタル自体は多孔質でそのままでは水を吸収しやすく、単体では防水性能を持たない。外壁に使用する場合は防水性のある塗料による塗装・防水処理が必要だ
  • ひび割れ(クラック)が発生しやすい:温度変化・乾燥収縮・地震・建物の揺れなどの外力によってひび割れが生じやすい。ひび割れから雨水が浸入すると漏水・躯体の劣化につながるため定期的な点検・補修が必要だ
  • 施工後の乾燥・養生期間が必要:モルタルは施工後に十分な乾燥・養生期間(一般的に数日〜数週間)が必要で、工期への影響を考慮する必要がある

モルタル外壁の塗装・メンテナンスの重要性

モルタル外壁は防水性がないため、塗装による防水・保護が不可欠だ。塗膜が劣化してチョーキングひび割れが発生すると雨水が浸入しやすくなるため、一般的に10〜15年を目安に外壁塗装の塗り替えを行うことが推奨される。ひび割れ(クラック)が確認された場合は、塗り替えと合わせてUカットシーリング工法などによるひび割れ補修を行うことが重要だ。


よくある質問(FAQ)

Q. モルタル外壁とサイディング外壁はどちらが優れているか?
モルタル外壁とサイディング外壁はそれぞれ特性が異なるため、どちらが優れているかは目的・重視する点によって異なる。

項目モルタル外壁サイディング外壁
デザイン性高い(左官仕上げの質感・無継ぎ目)豊富なデザインバリエーション
防水性塗装による防水処理が必須製品自体に一定の防水性がある
ひび割れリスク高い(定期的な補修が必要)低い(目地のシーリング劣化に注意)
メンテナンス塗り替え+ひび割れ補修が必要塗り替え+目地シーリング補修が必要
施工コストサイディングより高い傾向がある比較的低コスト・工期が短い

Q. モルタルのひび割れはどの程度から補修が必要か?
モルタルのひび割れ幅・深さによって補修の緊急度が異なる。

  • ヘアークラック(幅0.2mm未満):表面の微細なひび割れ。直ちに雨水浸入につながるケースは少ないが、放置すると拡大するため塗り替え時に合わせて補修することが推奨される
  • 幅0.2〜0.3mm以上のひび割れ:雨水が浸入しやすい状態。早めのシーリング充填・Uカット補修が必要
  • 幅0.5mm以上・深いひび割れ(構造クラック):建物の構造・防水に影響する可能性が高く、専門業者による早急な調査・補修が必要

Q. モルタル外壁の塗り替えに適した塗料は何か?
モルタル外壁の塗り替えには、弾性微弾性機能を持つ塗料の使用が推奨されることが多い。弾性塗料塗膜に伸縮性があり、モルタルの微細なひび割れへの追従性が高いため、ひび割れからの雨水浸入を防ぐ効果が期待できる。塗料のグレードはシリコン系・フッ素系・無機系から選択するのが一般的で、耐用年数・コスト・建物の状況に応じて専門業者と相談のうえ選定することが重要だ。

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