第4石油類
第4石油類とは、消防法で定められた危険物第4類(引火性液体)のうち、1気圧において引火点が200℃以上250℃未満の引火性液体のこと。 引火点が高いため常温では引火の危険性は低いが、法令上の危険物として適切な取り扱い・保管・管理が義務付けられている。
第4石油類の主な性質
- 引火点:200℃以上250℃未満(1気圧条件下)
- 水溶性:非水溶性(水に溶けにくい)
- 常温での危険性:引火点が高く、加熱しない限り引火する危険性は低い
- 燃焼時の特性:一度燃え出すと消火が困難になる性質がある
- 可燃性蒸気のリスク:引火性液体が発生させた可燃性蒸気が空気と混合した状態で、火気・静電気・摩擦熱などの点火源があると引火・爆発を起こす危険性がある
第4石油類の指定数量
消防法では、危険物の取り扱い・貯蔵ができる最大限界量として**「指定数量」**が定められている。
| 区分 | 指定数量 |
|---|---|
| 第4石油類(非水溶性) | 6,000L |
| 第4石油類(水溶性) | 6,000L |
指定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱う場合は、消防法に基づく危険物施設の設置許可・危険物取扱者の選任が必要となる。指定数量の1/5以上・指定数量未満の場合は、市町村条例による少量危険物として届出が必要なケースがある。
第4石油類に該当する主な物質
第4石油類に該当する代表的な物質は以下のとおりだ。
- ギヤー油(歯車・変速機用潤滑油)
- シリンダー油(蒸気機関・圧縮機用潤滑油)
- タービン油(タービン用潤滑油)
- マシン油(各種機械用潤滑油)
- その他、引火点200℃以上250℃未満の潤滑油・重油類
これらは主に機械・設備の潤滑・冷却目的で使用される工業用油脂類であり、製造現場・工場・整備工場などで広く使用されている。
第4石油類の取り扱いにおける注意点
- 加熱・高温環境下での取り扱いに注意:常温では引火リスクは低いが、加熱により引火点に達すると引火・火災のリスクが生じる
- 火気・点火源の排除:取り扱い場所では火気・静電気・摩擦熱などの点火源を排除することが基本だ
- 消火の困難性を考慮した備え:一度着火すると消火が困難なため、泡消火剤・粉末消火剤・二酸化炭素消火剤などの適切な消火設備の備えが重要だ(水による消火は油火災の拡散リスクがあるため原則不適)
- 保管・貯蔵の法令遵守:指定数量以上の貯蔵・取り扱いには危険物施設の基準適合・危険物取扱者の選任が法令上必要だ
よくある質問(FAQ)
Q. 第4石油類と第3石油類の違いは何か?
消防法における第4類危険物(引火性液体)は、引火点の範囲によって区分が異なる。
| 区分 | 引火点の範囲 | 指定数量(非水溶性) | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 第1石油類 | 21℃未満 | 200L | ガソリン・トルエン |
| 第2石油類 | 21℃以上70℃未満 | 1,000L | 灯油・軽油 |
| 第3石油類 | 70℃以上200℃未満 | 2,000L | 重油・クレオソート油 |
| 第4石油類 | 200℃以上250℃未満 | 6,000L | ギヤー油・シリンダー油 |
引火点が高くなるほど常温での危険性は低下するが、指定数量は増加する。なお、第4石油類は引火点が高いため第3石油類より日常的な引火リスクは低いが、消防法上の危険物であることに変わりはなく、法令に基づく適切な管理が必要だ。
Q. 第4石油類の保管に資格・届出は必要か?
第4石油類の保管・取り扱いには、保管量に応じて以下の対応が必要だ。
- 指定数量(6,000L)以上:消防法に基づく危険物貯蔵所・取扱所の設置許可および危険物取扱者(乙種第4類または甲種)の選任が必要だ
- 指定数量の1/5以上・指定数量未満:少量危険物として市町村条例に基づく届出が必要なケースがある
- 指定数量の1/5未満:消防法上の手続きは不要だが、火災予防条例に基づく適切な保管・管理は引き続き必要だ
Q. 第4石油類が火災になった場合の消火方法は?
第4石油類を含む油火災(B火災)への消火では、水による消火は原則禁止だ。水をかけると燃えている油が飛び散り、火災が拡大するリスクがある。適切な消火方法は以下のとおりだ。
- 泡消火剤:油面を泡で覆い、空気(酸素)を遮断して消火する。油火災に最も効果的な消火方法のひとつだ
- 粉末消火剤(ABC消火器):燃焼の連鎖反応を抑制する。初期消火に有効だ
- 二酸化炭素消火剤:酸素濃度を低下させて消火する。密閉空間での使用に注意が必要だ
- ハロゲン化物消火剤:燃焼の連鎖反応を抑制する消火剤だ
油火災が発生した場合は、初期消火が困難と判断したら直ちに避難・消防署への通報を最優先にすることが重要だ。






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