第4石油類

安全対策 2024.06.26 (最終更新日:2026.03.30)

第4石油類とは、消防法で定められた危険物第4類(引火性液体)のうち、1気圧において引火点が200℃以上250℃未満の引火性液体のこと。 引火点が高いため常温では引火の危険性は低いが、法令上の危険物として適切な取り扱い・保管・管理が義務付けられている。


第4石油類の主な性質

  • 引火点:200℃以上250℃未満(1気圧条件下)
  • 水溶性:非水溶性(水に溶けにくい)
  • 常温での危険性:引火点が高く、加熱しない限り引火する危険性は低い
  • 燃焼時の特性:一度燃え出すと消火が困難になる性質がある
  • 可燃性蒸気のリスク:引火性液体が発生させた可燃性蒸気が空気と混合した状態で、火気・静電気・摩擦熱などの点火源があると引火・爆発を起こす危険性がある

第4石油類の指定数量

消防法では、危険物の取り扱い・貯蔵ができる最大限界量として**「指定数量」**が定められている。

区分指定数量
第4石油類(非水溶性)6,000L
第4石油類(水溶性)6,000L

指定数量以上の危険物を貯蔵・取り扱う場合は、消防法に基づく危険物施設の設置許可・危険物取扱者の選任が必要となる。指定数量の1/5以上・指定数量未満の場合は、市町村条例による少量危険物として届出が必要なケースがある。


第4石油類に該当する主な物質

第4石油類に該当する代表的な物質は以下のとおりだ。

  • ギヤー油(歯車・変速機用潤滑油)
  • シリンダー油(蒸気機関・圧縮機用潤滑油)
  • タービン油(タービン用潤滑油)
  • マシン油(各種機械用潤滑油)
  • その他、引火点200℃以上250℃未満の潤滑油・重油類

これらは主に機械・設備の潤滑・冷却目的で使用される工業用油脂類であり、製造現場・工場・整備工場などで広く使用されている。


第4石油類の取り扱いにおける注意点

  • 加熱・高温環境下での取り扱いに注意:常温では引火リスクは低いが、加熱により引火点に達すると引火・火災のリスクが生じる
  • 火気・点火源の排除:取り扱い場所では火気・静電気・摩擦熱などの点火源を排除することが基本だ
  • 消火の困難性を考慮した備え:一度着火すると消火が困難なため、泡消火剤・粉末消火剤・二酸化炭素消火剤などの適切な消火設備の備えが重要だ(水による消火は油火災の拡散リスクがあるため原則不適)
  • 保管・貯蔵の法令遵守:指定数量以上の貯蔵・取り扱いには危険物施設の基準適合・危険物取扱者の選任が法令上必要

よくある質問(FAQ)

Q. 第4石油類と第3石油類の違いは何か?
消防法における第4類危険物(引火性液体)は、引火点の範囲によって区分が異なる。

区分引火点の範囲指定数量(非水溶性)代表例
第1石油類21℃未満200Lガソリン・トルエン
第2石油類21℃以上70℃未満1,000L灯油・軽油
第3石油類70℃以上200℃未満2,000L重油・クレオソート油
第4石油類200℃以上250℃未満6,000Lギヤー油・シリンダー油

引火点が高くなるほど常温での危険性は低下するが、指定数量は増加する。なお、第4石油類は引火点が高いため第3石油類より日常的な引火リスクは低いが、消防法上の危険物であることに変わりはなく、法令に基づく適切な管理が必要だ。

Q. 第4石油類の保管に資格・届出は必要か?
第4石油類の保管・取り扱いには、保管量に応じて以下の対応が必要だ。

  • 指定数量(6,000L)以上:消防法に基づく危険物貯蔵所・取扱所の設置許可および危険物取扱者(乙種第4類または甲種)の選任が必要だ
  • 指定数量の1/5以上・指定数量未満少量危険物として市町村条例に基づく届出が必要なケースがある
  • 指定数量の1/5未満:消防法上の手続きは不要だが、火災予防条例に基づく適切な保管・管理は引き続き必要だ

Q. 第4石油類が火災になった場合の消火方法は?
第4石油類を含む油火災(B火災)への消火では、水による消火は原則禁止だ。水をかけると燃えている油が飛び散り、火災が拡大するリスクがある。適切な消火方法は以下のとおりだ。

  • 泡消火剤:油面を泡で覆い、空気(酸素)を遮断して消火する。油火災に最も効果的な消火方法のひとつだ
  • 粉末消火剤(ABC消火器):燃焼の連鎖反応を抑制する。初期消火に有効だ
  • 二酸化炭素消火剤:酸素濃度を低下させて消火する。密閉空間での使用に注意が必要だ
  • ハロゲン化物消火剤:燃焼の連鎖反応を抑制する消火剤だ

油火災が発生した場合は、初期消火が困難と判断したら直ちに避難・消防署への通報を最優先にすることが重要だ。

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