塗料用シンナー
塗料用シンナーとは、弱溶剤系塗料の希釈・塗装器具の洗浄に使用するシンナーのこと。 ミネラルターペン(ミネラルスピリット)と呼ばれる脂肪族炭化水素を主成分とし、ホームセンターでも「ペイントうすめ液」の名称で広く販売されている。消防法上は第4類・第二石油類の危険物に分類される。
塗料用シンナーの主な特徴
- 乾燥が遅い:揮発速度がゆるやかなため、温度・湿度の変化による乾燥ムラが起きにくく、きれいな塗装表面に仕上げやすい
- 溶解力は弱め:ラッカーシンナーと比較して溶解力が低く、下地を侵しにくいため既存塗膜へのダメージが少ない
- 臭気が比較的弱い:ラッカーシンナーより揮発性が低いため、作業中の臭気が少なく施工環境への影響が小さい
- 引火性がある:有機溶剤を含むため、作業中・乾燥中・保管時はすべて火気厳禁だ
塗料用シンナーの主な用途
| 用途 | 具体的な場面 |
|---|---|
| 塗料の希釈 | 弱溶剤系塗料(油性塗料・変性エポキシ塗料など)の粘度調整 |
| 塗装器具の洗浄 | 刷毛・ローラー・スプレーガンなどに付着した弱溶剤系塗料の洗い落とし |
| 塗装表面の調整 | 蒸発量を抑制することで塗膜のムラ・はじきを防止 |
塗料用シンナーAとBの違い
塗料用シンナーにはAとBの2種類が存在する。
- 塗料用シンナーA:キシレンを主成分とした溶解力がやや高いタイプ。弱溶剤系塗料全般に対応している
- 塗料用シンナーB:ミネラルスピリットを主成分とした溶解力が低いタイプ。油性塗料・合成樹脂調合ペイントなどに使用される
使用する塗料の仕様書・製品ラベルに記載されたシンナーの種類を必ず確認したうえで選択することが重要だ。
取り扱い上の注意点
塗料用シンナーは消防法第4類・第二石油類の危険物に該当するため、以下の点に注意が必要だ。
- 作業中・乾燥中・保管時は火気厳禁
- 消防法の規定により保管量に上限が設けられている
- 作業時は換気を十分に行い、有機ガス用防毒マスク・保護手袋を着用する
- 使用前にSDS(安全データシート)を確認し、正しい取り扱い方法を把握する
- 廃液は産業廃棄物として適切に処理する
よくある質問(FAQ)
Q. 塗料用シンナーとラッカーシンナーの違いは何か?
主な違いは主成分・溶解力・揮発速度・危険物分類だ。
| 項目 | 塗料用シンナー | ラッカーシンナー |
|---|---|---|
| 主成分 | ミネラルスピリット(脂肪族炭化水素) | トルエン・酢酸エチルなど(芳香族炭化水素) |
| 溶解力 | 弱い | 強い |
| 揮発速度 | 遅い(乾燥が遅い) | 速い(乾燥が速い) |
| 臭気 | 比較的弱い | 強い |
| 危険物分類 | 第二石油類 | 第一石油類 |
| 主な用途 | 油性塗料・弱溶剤系塗料の希釈 | ラッカー系塗料の希釈 |
塗料の種類に合わないシンナーを使用すると、白化・塗膜剥離・密着不良などの塗装不良が発生するため、必ず対応するシンナーを選ぶことが重要だ。
Q. 塗料用シンナーは水性塗料にも使えるか?
水性塗料の希釈に塗料用シンナーは使用できない。 水性塗料は水を溶媒としているため、シンナーを混ぜると塗料成分の分離・凝固が起こり、塗膜不良の原因となる。水性塗料の希釈には水または専用の水性希釈剤を使用する。希釈剤の種類は必ず塗料の仕様書・製品ラベルで確認することを推奨する。
Q. 塗料用シンナーの保管方法・保管量の上限はどうなっているか?
塗料用シンナーは消防法第4類第二石油類の危険物に該当するため、保管には法令上の制限がある。
- 指定数量:1,000L(非水溶性液体の場合)
- 指定数量の1/5(200L)以上を保管する場合は、消防署への届け出が必要になる場合がある
- 保管場所は直射日光・高温を避け、換気の良い場所に限定する
- 密閉容器で保管し、火気・静電気の発生源から離れた場所に保管する
保管量・保管方法の詳細は各自治体の消防署に確認することを推奨する。
【重要】シンナー供給不足を受けた対策について
現在、中東情勢の緊迫化により、原油・ナフサの流通が悪化し、シンナー類や弱溶剤塗料の確保が不安定となっています。
この状況下において、皆様の現場を止めないための現実的な解決策として、アステックペイントでは以下の2点を推奨しております。詳しい情報は下記の記事をご覧ください。
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