塗料用シンナー

副資材塗装工事・工法 塗装の現場から 2022.04.18 (最終更新日:2026.04.04)

塗料用シンナーとは、弱溶剤系塗料の希釈・塗装器具の洗浄に使用するシンナーのこと。 ミネラルターペン(ミネラルスピリット)と呼ばれる脂肪族炭化水素を主成分とし、ホームセンターでも「ペイントうすめ液」の名称で広く販売されている。消防法上は第4類・第二石油類の危険物に分類される。

塗料用シンナーの主な特徴

  • 乾燥が遅い:揮発速度がゆるやかなため、温度・湿度の変化による乾燥ムラが起きにくく、きれいな塗装表面に仕上げやすい
  • 溶解力は弱めラッカーシンナーと比較して溶解力が低く、下地を侵しにくいため既存塗膜へのダメージが少ない 
  • 臭気が比較的弱いラッカーシンナーより揮発性が低いため、作業中の臭気が少なく施工環境への影響が小さい
  • 引火性がある有機溶剤を含むため、作業中・乾燥中・保管時はすべて火気厳禁

塗料用シンナーの主な用途

用途具体的な場面
塗料の希釈弱溶剤系塗料(油性塗料・変性エポキシ塗料など)の粘度調整
塗装器具の洗浄刷毛ローラー・スプレーガンなどに付着した弱溶剤系塗料の洗い落とし
塗装表面の調整蒸発量を抑制することで塗膜のムラ・はじきを防止

塗料用シンナーAとBの違い

塗料用シンナーにはAとBの2種類が存在する。

  • 塗料用シンナーAキシレンを主成分とした溶解力がやや高いタイプ。弱溶剤系塗料全般に対応している 
  • 塗料用シンナーBミネラルスピリットを主成分とした溶解力が低いタイプ。油性塗料・合成樹脂調合ペイントなどに使用される

使用する塗料の仕様書・製品ラベルに記載されたシンナーの種類を必ず確認したうえで選択することが重要だ。


取り扱い上の注意点

塗料用シンナー消防法第4類・第二石油類の危険物に該当するため、以下の点に注意が必要だ。

  • 作業中・乾燥中・保管時は火気厳禁
  • 消防法の規定により保管量に上限が設けられている
  • 作業時は換気を十分に行い、有機ガス用防毒マスク・保護手袋を着用する
  • 使用前にSDS(安全データシート)を確認し、正しい取り扱い方法を把握する
  • 廃液は産業廃棄物として適切に処理する

よくある質問(FAQ)

Q. 塗料用シンナーラッカーシンナーの違いは何か?
主な違いは主成分・溶解力・揮発速度・危険物分類だ。

項目塗料用シンナーラッカーシンナー
主成分ミネラルスピリット(脂肪族炭化水素)トルエン・酢酸エチルなど(芳香族炭化水素)
溶解力弱い強い
揮発速度遅い(乾燥が遅い)速い(乾燥が速い)
臭気比較的弱い強い
危険物分類第二石油類第一石油類
主な用途油性塗料・弱溶剤系塗料の希釈ラッカー系塗料の希釈

塗料の種類に合わないシンナーを使用すると、白化・塗膜剥離・密着不良などの塗装不良が発生するため、必ず対応するシンナーを選ぶことが重要だ。 

Q. 塗料用シンナーは水性塗料にも使えるか?
水性塗料の希釈に塗料用シンナーは使用できない。 水性塗料は水を溶媒としているため、シンナーを混ぜると塗料成分の分離・凝固が起こり、塗膜不良の原因となる。水性塗料の希釈には水または専用の水性希釈剤を使用する。希釈剤の種類は必ず塗料の仕様書・製品ラベルで確認することを推奨する。

Q. 塗料用シンナーの保管方法・保管量の上限はどうなっているか?
塗料用シンナー消防法第4類第二石油類の危険物に該当するため、保管には法令上の制限がある。

  • 指定数量:1,000L(非水溶性液体の場合)
  • 指定数量の1/5(200L)以上を保管する場合は、消防署への届け出が必要になる場合がある
  • 保管場所は直射日光・高温を避け、換気の良い場所に限定する
  • 密閉容器で保管し、火気・静電気の発生源から離れた場所に保管する

保管量・保管方法の詳細は各自治体の消防署に確認することを推奨する。


【重要】シンナー供給不足を受けた対策について

現在、中東情勢の緊迫化により、原油・ナフサの流通が悪化し、シンナー類や弱溶剤塗料の確保が不安定となっています。

この状況下において、皆様の現場を止めないための現実的な解決策として、アステックペイントでは以下の2点を推奨しております。詳しい情報は下記の記事をご覧ください。

関連記事
【2026年緊急情報】シンナー供給不安でも塗装現場を止めない
【2026年緊急情報】シンナー供給不安でも塗装現場を止めない
現在、中東情勢の緊迫化により、原油・ナフサの流通が悪化し、シンナー類や弱溶剤塗料の確保が不安定となっています。 この状況下において
続きを読む
関連記事
塗替え工事にご注意!特殊な塗膜の窯業系サイディングの改修方法
塗替え工事にご注意!特殊な塗膜の窯業系サイディングの改修方法
近年の戸建て住宅において最も普及率が高い外壁材は「窯業系サイディング」です。 実際に「塗替え工事をする施工実績の大半は窯業系サイデ
続きを読む

Facebookコメント

記事カテゴリ

  • 塗装業界チャンネル
  • 営業活動レポート
  • 経営サポート
  • 塗装の現場から
  • 代表コラム
  • 製品紹介