カチオン

塗料性能 2022.06.24 (最終更新日:2026.03.17)

カチオン(cation)とは、正電荷(+)を帯びた陽イオンのこと。 負電荷(-)を帯びたアニオン(陰イオン)と対をなす概念で、塗装・建築分野ではカチオン系塗料・カチオン系シーラーという形で広く使われる用語だ。


塗装分野におけるカチオンの意味・役割

塗装の現場では、カチオンは主に下塗り材(シーラープライマー)の密着性向上に関わる概念として使われる。

そのメカニズムは以下のとおりだ。

  • コンクリート・モルタルはマイナス(-)の電荷を帯びている
  • カチオン系塗料はプラス(+)の電荷を帯びている
  • 異なる電荷を持つもの同士は引き合う**磁石の原理(電気的引力)**により、カチオン系塗料が下地に強く吸着する
  • 結果として通常の塗料よりも高い密着性・付着力が得られる

この特性から、カチオン系塗料はコンクリート・モルタル・PC板・ALC板などの無機質系下地への下塗り材として特に有効とされている。


カチオン系塗料が使用される主な場面

用途具体例
外壁の下塗りコンクリート・モルタル壁面への下塗りシーラーとして使用
旧塗膜への密着強化脆弱化した既存塗膜への浸透・固着に使用
吸水性の高い下地ALC・PC板・スラリー層など密着が難しい下地への適用

よくある質問(FAQ)

Q. カチオン系塗料とアニオン系塗料の違いは何か?
カチオン系塗料はプラス(+)の電荷を帯びた塗料で、マイナス電荷を帯びるコンクリート・モルタルなどの無機質系下地に対して電気的な引力により強く密着する特性がある。一方、アニオン系塗料はマイナス(-)の電荷を帯びた塗料で、同じくマイナス電荷の無機質系下地とは電荷が反発するため、カチオン系と比較して下地への密着力は劣るとされる。無機質系下地への下塗りにはカチオン系が推奨されるケースが多い。

Q. カチオン系シーラーはどのような下地に使うのか?
カチオン系シーラーは、主に以下のような密着が難しい・吸水性が高い・脆弱化した下地に使用するのが効果的だ。

  • コンクリート・モルタル:マイナス電荷の下地にカチオン系が電気的に吸着し、高い密着力を発揮する
  • ALC(軽量気泡コンクリート)板:吸水性が高く通常の塗料が吸い込まれやすいため、カチオン系シーラーで吸水を抑制する
  • PCコンクリート・PC板:緻密で塗料が密着しにくい下地へのプライマーとして使用する
  • 脆弱化・粉化した既存塗膜チョーキング面):カチオン系シーラーが浸透・固着し、塗膜を強化してから上塗りを行う

Q. カチオン系塗料を使用する際の注意点は何か?
カチオン系塗料を使用する際は、以下の点に注意が必要だ。

  • 他の塗料との混合禁止:カチオン系とアニオン系の塗料を混合すると電荷が打ち消し合い、塗料が凝集・ゲル化して使用できなくなるため、混合厳禁だ
  • 使用できる上塗り塗料の確認:カチオン系シーラーの上に塗布できる上塗り塗料には相性があるため、メーカーが推奨する組み合わせ(塗装仕様)を必ず確認する
  • 適用下地の確認:カチオン系塗料の密着向上効果はマイナス電荷を持つ無機質系下地に対して発揮されるため、有機系下地(木材・金属など)への効果は限定的となるケースがある

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