弾性タイル仕上げ

塗料塗装工事・工法 塗装の現場から 2022.05.23 (最終更新日:2026.03.12)

弾性タイル仕上げとは?意味・特徴・複層・単層の違い・下塗り材の選び方を解説

弾性タイル仕上げとは、アクリルゴム系などの弾性樹脂に体質顔料(炭酸カルシウムなど)を混合した吹付材を使用する建築塗装の仕上げ工法のこと。弾性吹付タイル」とも呼ばれる。吹付けタイルに柔軟性(弾性)を持たせた仕上げ材で、下地のひび割れへの追随性が高いことが最大の特徴だ。


弾性タイル仕上げの施工手順と特徴

弾性タイル仕上げは以下の手順で施工する。

  • ①下吹き(地吹き):吹付材を平滑に吹き付け、均一な下地面をつくる
  • ②模様吹き:不連続な凹凸模様を吹き付け、タイル調の意匠を形成する
  • ③上塗り(複層タイプの場合):上塗材で着色・保護塗装を行う

弾性樹脂を使用した塗膜ゴムのように伸縮する柔軟性を持つため、下地にひび割れ(クラック)が発生した際にも塗膜が追随し、ひび割れの表面への露出を抑制する効果がある。


複層弾性タイルと単層弾性タイルの違い

弾性タイル仕上げには主に2種類ある。

種類特徴着色方法
複層弾性タイル下吹き+模様吹き+上塗材で構成上塗材で着色する
単層弾性タイル1回の吹付けで仕上げる吹付材自体に着色済み

複層タイプは上塗材の選択により色・耐候性のカスタマイズが可能で、単層タイプは工程が少なく施工効率が高いのが特徴だ。


アステックペイント製品との組み合わせ(下塗り材の選び方)

弾性タイル仕上げを施工する際は、旧塗膜・下地の状態に応じて適切な下塗り材を選定することが重要だ。

下地・旧塗膜の状態推奨下塗り材
チョーキングが発生している場合エピテックフィラーAEⅡホワイトフィラーAⅡ など
仕上材が激しく劣化している場合エポパワーシーラーエピテックフィラーAEⅡ など
旧塗膜がフッ素・無機の場合プレミアムSSシーラープライマー
旧塗膜が光触媒の場合プレミアムSSシーラープライマー(白のみ)

下地の状態を正確に診断したうえで、適切な下塗り材を選定することが仕上がり品質・塗膜の耐久性を確保するうえで不可欠だ。


よくある質問(FAQ)

Q. 弾性タイル仕上げは一般的な吹付タイルとどこが違うのか?
一般的な吹付タイルは硬質系の樹脂を使用するのに対し、弾性タイル仕上げはアクリルゴム系などの弾性(伸縮性のある)樹脂を使用する点が最大の違いだ。この弾性樹脂により塗膜が柔軟に伸縮するため、下地のひび割れに対して塗膜が追随し、クラックの表面露出を抑制する効果が得られる。ひび割れが生じやすいモルタル外壁やコンクリート外壁への施工に特に適した仕上げ工法だ。

Q. 弾性タイル仕上げはどのような建物・外壁素材に適しているのか?
弾性タイル仕上げはひび割れが発生しやすい外壁素材や建物に特に適している。具体的には以下の素材・建物タイプでの採用が多い。

  • モルタル外壁:乾燥収縮によるひび割れが生じやすく、弾性塗膜による追随性が有効
  • コンクリート外壁・RC造建物:経年によるクラックへの対策として有効
  • ALCパネル(軽量気泡コンクリート)目地部のひび割れ追随性が求められる素材

意匠性の観点からも凹凸のある立体的なタイル模様を形成できるため、デザイン性を重視する建物にも採用されやすい仕上げ工法だ。

Q. 弾性タイル仕上げの施工時に下塗り材の選定が重要な理由は何か?
弾性タイル仕上げは旧塗膜や下地の状態によって、適切な下塗り材が異なるため、下塗り材の選定が仕上がり品質に直結する。たとえばチョーキング(粉化)が発生した旧塗膜の上にそのまま施工すると、塗膜の密着不良や剥離の原因となる。また旧塗膜がフッ素・無機・光触媒の場合は密着性が著しく低下しやすいため、専用のシーラープライマーで密着性を確保してから施工することが必要だ。下地診断を適切に行い、メーカー推奨の下塗り材を選定・使用することが長期的な塗膜品質を維持するうえで重要となる。

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