可とう性試験
可とう性試験とは?目的・試験方法・弾性や伸び性能との違いをわかりやすく解説
可とう性試験とは、塗膜が外力によって曲げられた際にひび割れや剥離が生じず、しなやかに変形に追従できるかどうか(柔軟性)を評価する塗膜性能試験のこと。 漢字では**「可撓性試験(かとうせいしけん)」と表記し、塗料分野では「耐屈曲性試験」**とも呼ばれる。
可とう性が塗膜に必要な理由
塗膜が施工された建物の下地は、以下のような要因で常に変化し続けている。
- 強風・歩行による振動
- 気温変化による下地の膨張・収縮
- 建物の経年変化による微細なひずみ
このような下地の動きに対して塗膜が追従できなければ、ひび割れ・剥離・防水性能の低下につながる。可とう性試験はこの追従性能を数値・状態で評価するために実施する。
JIS A 6909に基づく可とう性試験の方法
JIS規格(JIS A 6909)における可とう性試験の手順は以下のとおりだ。
なお、耐屈曲性(加工時の損傷評価)では180°までの折り曲げが要求される場合もある。
混同されやすい3つの概念を整理する。
可とう性試験は弾性変形のしやすさを評価するものであり、変形後に元に戻ることは条件としない点が「弾性」との大きな違いだ。また塗膜の「伸び」を測るひび割れ追従性試験とも目的・評価方法が異なる。
よくある質問(FAQ)
Q. 可とう性が低い塗膜はどのような不具合につながるのか?
可とう性が低い(硬くて脆い)塗膜は、下地の膨張・収縮・振動などの動きに追従できず、塗膜のひび割れ・剥離・防水機能の低下を引き起こす可能性がある。特にモルタル外壁・金属屋根・スレート屋根など温度変化による伸縮が大きい下地では、可とう性の高い塗料を選定することが塗膜の長期耐久性を確保するうえで重要なポイントとなる。
Q. 可とう性試験と耐屈曲性試験はどう違うのか?
可とう性試験と耐屈曲性試験はどちらも塗膜の曲げへの耐性を評価する試験だが、折り曲げ角度と評価目的が異なる。可とう性試験はJIS A 6909に基づき90°の折り曲げで塗膜のひび割れ有無を評価する。耐屈曲性試験は主に180°の折り曲げを行い、切断加工・プレス加工など製造・施工時の加工に対する塗膜の損傷耐性を評価することを目的としている。
Q. 可とう性の高い塗料はどのような種類か?
可とう性(柔軟性・追従性)が高い塗料の代表例として、弾性塗料・微弾性塗料が挙げられる。これらは塗膜に伸縮性を持たせることで下地の動きへの追従性を高めており、ひび割れが発生しやすいモルタル外壁や築年数の経過した建物への塗装に多く採用される。一方でフッ素系・無機系などの高耐久塗料は硬度が高い分、可とう性が低い傾向があるため、下地の状態と塗料の特性を照合したうえで選定することが重要だ。

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