可とう性試験

塗料性能試験 2022.05.16 (最終更新日:2024.01.05)

可とう性試験とは、塗膜の性能評価試験の一つであり、塗膜ひび割れや剥離が発生せず追従するか、柔軟性を示すかを評価する試験のこと。
可とう性とは、外力で物質がしなやか(撓やか)にたわむ、折り曲げても破断しない(折れて割れない)性質を指す。塗料分野では耐屈曲性ともいう。 漢字では可撓性(かとうせい)と表記される。「可とう」とは柔軟性、たわみ追従性、撓性(とうせい)とも言い換えられる。 塗膜に可とう性が要求される理由としては、強風や歩行などにおける下地への振動、気温の変化による下地の膨張収縮、など下地の状態が変化することを想定して、塗膜ひび割れや剥離が発生せず追従するか、柔軟性を示すかを評価する。

可とう性試験実施後の試験体写真

JIS A 6909のJIS規格での可とう性試験は、塗料を金属板試験体に塗装し、乾燥後、塗付け面を外側にして、試験体のほぼ中央に直径10mmの鋼棒に金属面をあて90°の角度まで折り曲げた後、塗膜表面のひび割れ有無を確認する。なお、塗装後の塗膜の折り曲げなどの加工で損傷が生じないかの耐屈曲性では、180°までの折り曲げが要求される。

可とう性試験は原形に回復することを条件とせず、弾性変形のしやすさについての評価となるため、外力を除くと原形に回復する「弾性」とは異なる。また、塗膜の「ひび割れ追従性」などの伸び性能を評価する試験とも異なる。

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