無筋コンクリート
無筋コンクリートとは、鉄筋を使用せずコンクリートのみで構成された構造材料のこと。 鉄筋による補強がないため曲げ強度が低く、ひび割れが発生することを前提として使用される材料だ。
無筋コンクリートの特徴
無筋コンクリートは以下のような性質を持つ。
- 圧縮強度は高いが、曲げ強度・引張強度が低い
- 鉄筋がないため、外力による変形や曲げに対して脆い
- ひび割れが生じやすく、構造体への使用には不向き
- 製造コストが低く、施工が比較的容易
無筋コンクリートの主な用途
曲げ・引張強度より圧縮強度で荷重を受ける箇所や、構造的な役割を担わない部位に使用される。
| 用途 | 概要 |
|---|---|
| 土間コンクリート | 駐車場・通路など地面を平滑に仕上げる箇所 |
| 捨てコンクリート | 基礎工事の墨出しや型枠設置のための作業用下地 |
| 防湿コンクリート | 地面からの湿気・水分の浸入を防ぐための床下コンクリート |
これらはいずれも構造体(基礎・柱・梁・壁・床スラブ)としての強度を必要としない部位への使用が基本だ。
無筋コンクリートと鉄筋コンクリートの違い
| 比較項目 | 無筋コンクリート | 鉄筋コンクリート |
|---|---|---|
| 鉄筋の有無 | なし | あり |
| 曲げ・引張強度 | 低い | 高い |
| ひび割れ | 発生を前提とする | 鉄筋により抑制 |
| 主な用途 | 土間・捨てコン・防湿コン | 基礎・柱・梁・壁・床スラブ |
| コスト | 比較的低い | 比較的高い |
構造体には必ず鉄筋コンクリートが使用されるのに対し、無筋コンクリートは構造的な強度を必要としない補助的な部位に限定して使用される。
よくある質問(FAQ)
Q. 無筋コンクリートにひび割れが発生した場合、補修は必要か?
無筋コンクリートはひび割れが発生することを前提とした材料のため、微細なひび割れ(ヘアクラック)は必ずしも補修が必要とは限らない。ただし、幅0.3mm以上のひび割れや、水が浸入する恐れがある箇所については、劣化の進行や防湿性能の低下を防ぐために補修が推奨される。土間コンクリートや防湿コンクリートのひび割れ補修には、エポキシ樹脂系注入材やポリマーセメントモルタルなどが一般的に用いられる。
Q. 無筋コンクリートを構造体(基礎・柱・壁)に使用できないのはなぜか?
コンクリートは圧縮力には強いが、引張力・曲げ力には著しく弱いという特性を持つ。基礎・柱・梁・壁などの構造体は、建物の荷重・地震力・風圧力などによる曲げ応力や引張応力を常に受けるため、鉄筋による補強が不可欠だ。無筋コンクリートのみでは**これらの外力に対して脆性破壊(突然の破断)**を起こすリスクがあるため、建築基準法上も構造体への使用は認められていない。
Q. 捨てコンクリートに無筋コンクリートが使われる理由は何か?
捨てコンクリートは基礎工事における墨出し(寸法の基準線の記入)や型枠設置のための作業用下地として打設するものだ。構造的な強度を担う部位ではなく、施工精度の確保と作業性の向上を目的としているため、コストを抑えられる無筋コンクリートが適している。その名の通り「捨てる(構造に算入しない)」ためのコンクリートであり、厚さ50mm程度で打設されるのが一般的だ。







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