ピンホール

塗料不具合塗装 塗装の現場から 2022.04.18 (最終更新日:2026.03.17)

ピンホールとは、塗膜を針で突いたような直径1mm以下のごく小さな穴が、下地や既存塗膜まで貫通している状態のこと。 塗装工事における代表的な施工不良・塗膜欠陥のひとつで、下地の状態や施工方法が原因で発生する。


ピンホールの発生原因

ピンホールは主に以下の原因で発生する。

  • 下地の巣穴:コンクリート・モルタルなどの下地表面に存在する小さな空洞(巣穴)の上から塗装した際、内部の空気が塗料と置き換わらずに残り、その部分が貫通した穴となって現れる
  • 下地処理の不足:巣穴をフィラーシーラーで適切に充填せずに塗装した場合に発生しやすい
  • 塗料の乾燥不良・厚塗り塗膜内部に閉じ込められた溶剤・空気が抜け出る際に穴が生じるケースもある

ピンホールと破泡跡の違い

見た目が似ているため混同されやすいが、ピンホールと破泡跡は発生のメカニズムと形状が異なる

項目ピンホール破泡跡
形状針で突いたような細い貫通孔蛸壺状(お椀型)の浅い窪み
深さ下地・既存塗膜まで貫通している塗膜の表面のみで発生。貫通していない
発生箇所下地の巣穴部分塗膜表面で気泡が破裂した跡

両者は穴が塗膜を貫通しているかどうかが最大の見分けポイントだ。


ピンホールを放置するとどうなるか

ピンホールが直接的に塗膜の剥離や構造的な損傷を引き起こすことは少ないが、以下の二次的な問題につながるリスクがある。

  • 汚れの蓄積:穴の内部に埃・汚れが入り込み、外観の美観を損ねる
  • 苔・藻・カビの発生:穴に入り込んだ汚れや水分が、苔・藻・カビの発生源となりやすい
  • 美観の低下:点状の汚れが外壁全体に広がると、塗装仕上がりの見た目が著しく損なわれる

早期に発見した場合は、フィラーやシーリング材で穴を充填したうえで補修塗装を行うことが望ましい。


よくある質問(FAQ)

Q. ピンホールはなぜ下地の巣穴が原因で発生するのか?
コンクリートやモルタルの下地には、製造・施工時に生じた**微細な空洞(巣穴)**が表面に存在することがある。この巣穴の上から塗料を塗布すると、巣穴の内部に閉じ込められた空気が塗料に置き換わらずに残った状態となる。その後、塗膜が乾燥・硬化する過程で閉じ込められた空気が逃げようとし、塗膜を突き破って細い貫通孔(ピンホール)が形成される。下塗り材で巣穴を十分に充填してから上塗りすることが、ピンホール防止の基本的な対策だ。

Q. ピンホールの発生を防ぐための施工上の対策は何か?
ピンホールの発生を防ぐためには、以下の施工上の対策が有効だ。

  • 下地処理の徹底:塗装前にコンクリート・モルタル面の巣穴をフィラーシーラーで十分に充填・平滑化する
  • 適切な下塗り材の選定:巣穴への浸透性・充填性が高い微弾性フィラーや専用シーラーを使用する
  • 適正な塗付け量・希釈率の遵守:塗料を薄めすぎず、メーカー指定の希釈率と塗付け量を守ることで、下地への適切な充填性を確保する
  • 下地の乾燥確認:下地が十分に乾燥していない状態での塗装は、内部の水分・空気が抜けてピンホールが発生する原因となるため、乾燥状態を確認してから施工する

Q. ピンホールと破泡跡はどのように見分ければよいか?
現場での見分け方としては、穴に細い針や爪楊枝を差し込んで深さを確認する方法が有効だ。針がすんなりと深く差し込める場合は塗膜を貫通したピンホール、浅い窪みで止まる場合は破泡跡と判断できる。また、形状の観点では、ピンホールは細い針穴状であるのに対し、破泡跡はお椀をひっくり返したような蛸壺型の丸い窪みが特徴だ。補修方法も異なるため、正確に判別したうえで適切な処置を行うことが重要だ。

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