漏水

不具合 2022.04.18 (最終更新日:2026.03.17)

漏水とは、建物の外部から雨水などが内部に浸入したり、建物内部の配管から水が漏れ出したりする現象のこと。 外壁・屋根・窓まわりなどの防水機能が低下した箇所や、防水材・シーリング材の劣化・施工不備・台風などの外力によって生じた隙間から水が浸透することで発生する。


漏水が発生する主な原因

漏水の発生原因は大きく以下の3つに分類される。

  • 防水材・シーリング材の経年劣化:外壁目地・サッシまわり・屋根に充填されたシーリング材は、紫外線・熱・雨水の影響で一般的に5〜10年程度でひび割れ・硬化・剥離が生じる。劣化が進むと防水性能が失われ、雨水が浸入しやすくなる
  • 施工不備・経年による建物の変形:新築・改修工事時の防水施工の不備や、建物の経年による歪み・ひび割れ(クラック)が浸水経路となる
  • 台風・大雨などの外力:強風・横殴りの雨・集中豪雨など、通常を超える外力によって防水機能の限界を超えた水が浸入するケースも多い

漏水が発生しやすい主な箇所

漏水は以下のような部位で特に発生しやすい。

  • 外壁の目地ひび割れ(クラック)部分
  • サッシ(窓枠)まわりのシーリング劣化箇所
  • 屋根の棟・谷・スレート重なり部分
  • バルコニー・ベランダの防水層の劣化箇所
  • 外壁と屋根の取り合い部分(パラペット・笠木まわり)
  • 給排水配管の接続部・貫通部

漏水を放置した場合のリスク

漏水は初期段階では軽微に見えても、放置することで以下のような深刻な被害に拡大する。

放置期間の目安発生するリスク
短期(数か月)内装クロスの染み・剥がれ・膨れ、カビ・結露の発生
中期(半年〜数年)断熱材の含水・断熱性能低下、木下地の腐食・シロアリの発生
長期(数年以上)鉄骨・鉄筋の発による構造強度の低下、建物全体の躯体劣化・大規模修繕が必要となる

漏水は早期発見・早期対処が修繕コストを最小限に抑えるうえで非常に重要だ。


漏水への対処法と予防策

漏水が発生・疑われる場合は、以下の手順で対処することが重要だ。

  1. 漏水箇所の特定:雨天時に染み・水滴が発生する箇所を確認し、原因となっている浸入経路を特定する。自己判断が難しい場合は**専門業者による調査(散水試験など)**を依頼する
  2. 応急処置:漏水箇所に防水テープ・コーキング材を一時的に充填して浸水を最小限に抑える(根本的な修繕が完了するまでの応急措置として)
  3. 根本的な修繕:原因箇所のシーリング打ち替え・防水層の補修・外壁塗装・ひび割れ補修(Uカットシーリング工法など)を専門業者が実施する

予防策として、5〜10年を目安に外壁・屋根・シーリングの定期点検・メンテナンスを実施することが最も効果的な漏水対策だ。


よくある質問(FAQ)

Q. 漏水と雨漏りの違いは何か?
「漏水」と「雨漏り」は混同されやすいが、厳密には意味が異なる。雨漏りは「屋根・外壁などから雨水が建物内部に浸入する現象」を指す言葉で、漏水の原因のひとつだ。一方、漏水は「建物への水の浸入・漏れ全般」を指す広い概念で、雨漏りのほかに給排水配管からの水漏れ・結露による水濡れなども含む。一般的には「雨漏り=屋根・外壁由来」「漏水=水まわり配管由来」と使い分けられるケースも多いが、建築の分野では両者をほぼ同義として扱うこともある。

Q. 漏水の調査・修繕費用の目安はどのくらいか?
漏水の調査・修繕費用は原因箇所・被害の範囲・修繕方法によって大きく異なるが、一般的な目安は以下のとおりだ。

  • シーリング打ち替えによる修繕:外壁目地・サッシまわり全体で10〜30万円程度(建物の規模・劣化状況による)
  • 屋根の部分補修:棟板金の交換・スレート差し替えなどで5〜20万円程度
  • バルコニー・ベランダの防水工事:ウレタン防水・FRP防水の施工で10〜30万円程度(面積・工法による)
  • 外壁塗装と同時施工:外壁塗装に合わせてシーリング打ち替え・ひび割れ補修を一括で行うことで、個別施工より費用を抑えられるケースが多い

Q. 漏水かどうか自分で確認する方法はあるか?
以下のサインが確認できた場合は、漏水が発生・進行している可能性がある。専門業者への早期相談を検討することが重要だ。

  • 天井・壁にシミや変色がある(特に雨天後に広がる場合は要注意)
  • 壁紙(クロス)が剥がれる・膨れている
  • 室内に原因不明のカビ・異臭がある
  • 外壁にひび割れ(クラック)やシーリングの剥離がある
  • 窓枠・サッシまわりに水滴・腐食の跡がある
  • 床や壁の一部が柔らかくなっている・へこむ感覚がある(木部の腐食が進行している可能性)

これらのサインは早期に専門業者へ調査を依頼することで、被害の拡大と修繕コストの増大を防ぐことができる。

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